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Special Interview

第2回は、PINOだけでなく、北野博士のロボットに関する活動などのお話を中心にお伺いしました。
何故ロボカップを推進するのかなど、素人にも解り易い興味深いお話です。
(第1回は
こちら 第3回はこちら

北野宏明氏
人工知能(AI)研究における世界的な第一人者。しかしながらその才能は研究だけに留まらず、ディベート、建築のデザインなど、非常に多彩な方面で発揮されています。

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「PINO」のおもちゃをはじめてご覧になったときの印象いかがでした? 

よくできてるなぁ(笑)。

おもちゃの「PINO」と、本物の「PINO」の違いって静歩行と動歩行の違いなんですね。
おもちゃのロボットだと殆どが足の下にローラーがついていて、完全に片足で立つ瞬間がないんですよ。だから、おもちゃのロボットの歩行は、厳密には歩行じゃないんです。

それにおもちゃをちゃんと歩かせるテクニックっていうのもあって、例えば重心を低めに取ったり重くしたりね。




それにしても、「PINO」って強い星の下に出てきたと思うんです。おもちゃになったのも、宇多田ヒカルさんのビデオに取り上げたれたのもそうですけど、元々松井君と「PINOは、最初にイタリアで見せたいね。インダストリアルデザインのメッカだし。」と言ってたらヴィエンナーレが決まって、「TIME」の密着取材も入って・・・。

そういうのって、やろうと思ってもなかなか上手く行くものではないですよね。


■今後の「PINO」についてはどのようにお考えなのでしょうか?
できるだけ多くの人に「PINO」を使って研究して欲しいと思います。
「PINO」は中の部分、機構の情報を全てオープンにしているんです。たくさんの人に「PINO」をつかって研究してほしいんです。
オープンにしたことによるコミュニティができて、「PINO」を引き継ぐ人ができて、それがどんどん多くなるといいと思います。

現在の「PINO」のシリアル番号は「PHR001」(Pino the Humanoid Robot)とつけているんですが、それが002、003と、どんどん増えていったらいいなと。

それから「PINO」ではローコストということをテーマにしましたが、今「morph(モルフ)」というヒューマノイドロボットの研究をしています。

今度は(「PINO」と逆に)パフォーマンスを追及していて、カーボンFRPを使用したり、CPUモジュールから設計したものを使用しているんですよ。こちらは非常に贅沢にやっています(笑)。
 

 ロボカップはとても素敵な構想ですが、なぜ題材にサッカーを?
ロボットの研究成果をまとめるには、サッカーでくくるのが一番良かったからです。
僕はもともと人工知能の研究をしているんだけど、人工知能の研究をするには、そこに身体がついていないとできないんですよ。

専門的に言うとロボカップは「次世代産業技術のインターネット分散システムの構築」が目的なんですが、要するにロボットの発展に必要な技術を集めるとどうなるかって考えると、「ロボットにサッカーをさせること」へとまとめてみるのが一番解りやすいんです。

ロボットにサッカーをさせようとすると、いろんな要素が、総合的に必要になってくるんです。サッカーはチームプレイですよね。そして実時間、実世界とのインタラクションが必要になります。リアルタイムで人間に怪我をさせないような設計にしないといけないんです。イエローカード、レッドカードというものがあるから。

それに環境変度というものもあります。AI(人工知能)も、環境が限定されちゃうときは何とか対応できるんです。けれども、サッカーだと床、ピッチの状態などの環境も、いろんなパターンがあるでしょ?その時その時で違う環境に対してロボットがまともに機能するのは、すごく難しいことなんです。こうして出来ないことの溝を埋めるのは、生命の本質の理解につながることで、とても大事なんですね。

野球だと、守備とかいろいろありますけど結局はピッチャーとバッターだけの勝負になります。ロボットが時速200キロのボールを投げるのは簡単だから、これでは意味がないんですよね。

そういう意味ではサッカーがいちばん良かったんです。それにサッカーは世界中で愛されているしね。もちろん僕がサッカー好きというのもあります(笑)。

次のロボカップは2002年の6月に福岡で開催されますけど、2002年からいよいよヒューマノイドリーグがはじまります。

今は壁があってPKの真似事みたいなことしてますが、次は壁もなくなって試合っぽいこともできるようになります。いろんな研究所からいろいろな「PINO」がでてきてお互いに競い合えたらいいなと思っています。

まだまだ「PINO」の研究的にはこれからだし、可能性がありますから。


■実際のサッカー選手で好きな選手はいますか?
本物ではやっぱり小野!それから中山、中田…あとは(川口)能活が好きだね(笑)。
2003年7月から8月にかけてのロボカップはイタリアで開催なんですよ! 

やっぱりサッカーといえばイタリアですからね。だからこの2003年までには、なんとかヒューマノイドリーグを形にしたいと思いますね。

   


■ロボットの次の大きな転換期っていつごろ訪れるとお考えですか?
少なくとも5年もすれば、走れるようになるでしょうね。
それが一つの大きな転換になると思います。 というのも、ロボットもやっと2足で歩けるようになりましたけど、研究者って5年間もの間、ただ歩くだけで満足してるような連中ではないんですよ(笑)。だから5年もすれば誰かが成功するでしょう。

走ることに限らず、ロボットの研究途中におけるテクノロジーを元に、応用した技術の開発も大切だと思います。

それから、現在は与えられた状況の変化に対して、非常に脆弱なのでそれを克服してみたいと思います。研究は加速度的に進歩していますよ。


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